月経移動
月経移動は、大事なイベントと生理が重なってしまいそうなときに、ホルモン剤を内服することで生理のタイミングをずらす方法です。
1日1回ホルモン剤を1~2週間内服することで、生理日を変更します。
月経移動には生理を早める方法と、遅らせる方法の2つがあります。
当院での対象となる患者様について
- 対象は基本的に中学生以上の方となります。
- 中学生でも初経からまだあまり年月が経っていない場合は、コントロールが難しいことがありますので早めにご相談ください。
- 受験にむけて月経移動を行う場合、低用量ピルを使うことがあります。
少なくとも受験の3か月くらい前にはご相談ください。 - 小学生は、周期が不定期である場合が多いこと、若年者がピルを長期使用すると骨密度に影響するという報告もありますので、ピルを使った月経移動は積極的には行っておりません。月経痛でお困りの場合はそちらの相談と対処をさせていただきます。
月経を遅らせる方法
- 予定生理開始日の3~5日前から内服を始めます
- 内服は生理を起こしたくない日、またはその前日まで続けます。
- 内服終了後、2~3日で生理が起こります。
※イベント中もホルモン剤の服用が必要になります。
月経を早める方法
- 直前の生理開始日から3~5日目に内服を始めます
- 1日1回1錠のホルモン剤を10~14日間内服をします
- 内服終了後、2~3日で生理が起こります
※40歳以上の方などで、黄体ホルモン剤を使用する場合、早める方法がうまくいかないことがあり、主に遅らせる方法をとります。
注意事項
- 生理周期の不定な方は、月経移動が難しいので早めにご相談ください
- 普段から低用量ピルを服用していると月経コントロールは比較的簡単に行うことができます
- 自費診療になります
- 必ず医師の指示通りに服用してください
よくある質問 Q&A
どんな薬を使いますか?
おもに中用量ピル(エストロゲン、黄体ホルモン配合剤)を使います。
利点は月経周期を調節する効果が確実なこと、欠点は人により吐き気やむくみの副作用がでることです。
ピルの重大な副作用である血栓のリスクが高いと判断される場合(40歳以上の方、肥満の方、喫煙者など)は、黄体ホルモン単独の処方をしています。 調節性は中用量ピルに比べてやや劣ることがありますが、副作用がほとんどなく使いやすい薬剤です。
月経移動をすることで身体に悪影響はありますか?
一時的に月経周期を調整することになりますが、服用後に次の生理が来ればホルモン状態は元に戻りますのでご安心ください。
月経移動は早める方法と遅らせる方法ではどちらが良いですか?
予定日までの日にちがどれくらいあるか、生理を避けたい期間がどのくらいか、ご本人の生理の周期などによって異なります。
これまで月経移動をしたことがない方は、可能であれば早める方法をおすすめします(ただし黄体ホルモン剤を使用する場合は遅らせる方法が基本となります)。
早める方法をとる場合は、前の月経5日目以内にご来院下さい。
詳細は受診時にご相談ください。